在宅医療で行うフットケア パート①

訪問診療の基礎知識

あい太田クリニックでは、足のトラブルでお悩みの方に、在宅・施設でのフットケアを行っております。

今回は伊勢崎市内の施設に入所されている80代の女性2名のところに伺いました。

お2人には足の撮影とブログ掲載の許可をいただきました。

2回にわたり、フットケアを紹介します(^^)/

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足のトラブルとは、巻き爪、肥厚爪、爪白癬など、爪の異常、角化や胼胝(タコ)など皮膚の異常、血流不良による冷感や痛み、浮腫(むくみ)やだるさ、関節の変形などのことを言います。

家庭や施設では対応が難しい症状に対して、医師の指示により、看護師が定期的に訪問してケアを行います。

フットケアには以下の物品を準備します。このほかにゴミ袋、ディスポ(使い捨て)のプラスチック手袋、エプロン、マスクなどなど。

先に足をじっくり観察。テンプタッチという温度計を用いて、皮膚温を測定します。

さらに動脈の触れを確認。

足関節や足趾の変形、さらに関節可動域制限の有無、ウオノメや胼胝の有無、皮膚の乾燥や角化、白癬や感染症の有無などを観察します。

まずはNさんのケース。

農業で鍛えた足は筋肉がしっかりしていて、一人での歩行は達者ですが、足は冷たく、足先の色は良くありません。

足の皮膚温は26~27℃、足背動脈の触れも弱いため、血流を促進するために、炭酸入浴剤を使用して足浴を施行しました。

足浴を行いながら、弱酸性の洗浄剤を目いっぱい泡立ててやさしく洗います。

弱酸性の洗浄剤は、高齢者や血流の弱い脆弱な皮膚に向いています。

次は爪切り。Nさんの爪は肥厚してギザギザのため、他の足趾を傷つけてしまう可能性があるために、定期的に厚くなった爪を削り、ヤスリで整えています。

爪切りの前には、爪ゾンデを用いて角質を取り除き、爪と皮膚の間にすき間を入れて、皮膚を傷つけないように注意します。

終わったら、フットオイルを用いてマッサージ。仕上げは保湿クリームを塗布。

Nさんの皮膚温は31~32℃に上昇し、ポカポカになりました。

次回はTさんのフットケアをご紹介します(^O^)/

by narita